■新型コロナウィルスに関する国際調査への協力

2020年の未明に初めて報告され、1月末にoutbreak(突然の広がり)を見せた新型コロナウィルスCOVID-19。奇しくも東日本大震災と同じ3月11日、WHOによりCOVID-19のpandemic(感染爆発)が宣言されました。世界中でさまざまな混乱が起きていることが報道、あるいはSNS等で報告され、我々の大きな心配事となっています。

多くの人がこの事態に対して有償・無償の取り組みをしていますが、それは心理学者も同様です。例えば、American Psychological Associationでは、こうした状況におけるさまざまなアドバイス、リソース、情報を提供してくれています。日本心理学会でも、その一部を日本語訳して発信しています。またCOVID-19に関する研究も進められています(例えばPsychological Science Accelerator)。

そうした研究の1つとして、International Survey on Coronavirusが立ち上がりました。この調査に関するOSFへの投稿はこちら日本語版もありますので、ぜひご回答をお願いしたいと思います

日本語訳への協力

調査ページを見ればわかりますが、もとは英語のみの質問からはじまった調査が、いまでは50近い言語に質問が翻訳されています。実は私も、研究者として何かできないかと考えていたところだったので、この調査の日本語への翻訳に参加することにしました。もう1つの理由としては、いまのポジションは(一般的な大学の研究者が避けて通れない)新年度の準備などに時間が取られることが少ないので、そのぶん何か貢献してもバチはあたらないだろうと思ったからです。

大まかな翻訳はそれほど難しいわけではなかったのですが(何なら機械翻訳である程度OKだった)、日本語話者が自然に理解・回答できるに、かつ意味を損ねないようにと考え始めると、結局、機械翻訳したものを一から見直すことになりました。また調査票の中には、既存の心理尺度、しかも既に別の研究者の方々が日本語訳し、その信頼性・妥当性の検討もされている尺度が含まれていました。そのため、日本語版尺度の作成者に連絡を取り、使用許可を取ると言った作業も必要になりました。

さまざまな方のご協力を得て、翻訳開始から3日ほどで最終版ができあがり、調査主に送付することができました。かなり質の高いものがおかげさまで出来上がりました。夜中の移動中にまでチェックしてくれた方もいて感謝しきれません。残念ながら?下のツイートでも書いたように、別の方の翻訳のほうが早く出来上がったため、調査主からは「2つの翻訳を統合した形で使うと思う」との返事をもらいました。現在の調査ページで見られるもののほとんどは、別の方の翻訳ですけれど。このあたり、“スピードが勝負”というケースが明白に存在することを教えてもらえたので、それはそれで良い経験になりました。

とはいえ、せっかくなので一応こちらで、我々の日本語訳も共有することにしました。ご覧になるのは、念の為、上のリンクから調査に参加なさった後にお願いしたいと思います。調査の具体的項目を知ってから調査に参加すると、何かしら回答にバイアスがかかると思われるためです。

なお、調査に対するご意見などありましたら、SNS経由でもメールでもよいので、直接調査主に(調査ページに連絡先がある)、あるいは私にでもご連絡下さい。この調査がこの新型コロナウィルスの世界的outbreakをくい止める一助になればと切に願います。

 

 

 

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